無料塾で貧困家庭の子ども達が夢をあきらめない社会を!~福岡教育サポートの挑戦~

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無料塾で貧困家庭の子ども達が夢をあきらめない社会を!~福岡教育サポートの挑戦~

現役の高校教師が始めた学習支援

2月初めの日曜日、福岡県春日市にある『NPO法人福岡教育サポート』を尋ねました。春日市は福岡市の隣にある人口10万人の都市で、弥生時代の遺跡などが知られています。博多駅から電車とバスを乗り継いで40分ほどの距離にあるアパートで、1Kの部屋を2部屋借りて塾を運営しています。

私が伺った日は講師総会の日で、代表の森さんとボランティアで講師をしている大学生の山口さんと松原さんがいらっしゃいました。講師総会は、普段高校の教師としての仕事が忙しい森さんが、大学生を中心とするボランティアの講師とコミュニケーションをとる貴重な機会です。

今後の予定等を話す森さんは、気づかいの細やかな落ち着いたベテランの先生という印象で、講師の2人と気さくに話し合っていました。しかし、話し合われる今後の取り組みの内容からは、「経済的な理由などで進学を断念する子どもを一刻も早くなくしたい」という強い信念がひしひしと伝わってきました。

 

寄付によって変わったこと

 

この日の講師総会では嬉しい報告が2つありました。
1つは、寄付をしていただいた方々のお陰で教室をもう一部屋借り増すことができたこと。もう1つは、生徒の半数をしめる母子家庭と低所得の家庭の生徒の授業料を4月から原則無料にできるようになったということです。それに合わせて生徒募集のポスティングや講師のスカウト(春から新規で3名講師が内定)なども進められています。

今回の訪問は、皆様からお預かりした寄付が確実に支援先の団体の活動に好循環を生んでいることを実感できる貴重な時間となりました。今後は、支援者の方々に活動を伝えられるようにSNSでの発信もしていきたいとのことなので、そちらも楽しみにしていてください。

 

ボランティアの大学生講師たちが支える現場

NPO法人福岡教育サポートでは現在、ボランティアの講師9名が在籍しています。ほとんどは、代表の森さんが教師として勤める高校を卒業した大学生ですが、将来教師になりたいという高校生もいます。生徒は近隣に住む小学校4年から高校3年までの10人。講師それぞれが受け持ちの生徒をもち、毎週マンツーマンで勉強を教えています。

代表であり現役教師でもある森さんが、学校の仕事が忙しく塾で勉強をみることが難しいため、講師一人ひとりが工夫を凝らして担当の生徒に勉強を教えています。

大学生の松原さんは、受験の体験を母校の在校生に伝えるイベントに登壇した際に、森さんから誘われたのがきっかけで講師になりました。初めての授業では「勉強がちょっと苦手な子だからよろしく」という一言だけ伝えられて、いきなりスタート。マニュアルも教材もなく何をしていいのか分からない中、「ちょっとできないよ~!」と心の中で叫んでいました。同期の講師2人とLINEで相談することもありましたが、生徒の学年も個性もちがうため結局は自分で考えるしかありません。

そんな状態でしたが、勉強を頑張ったらシールをあげるなど試行錯誤しながら生徒と一緒になって勉強を頑張り、受験の際には会場まで一緒に行ったりもしたそうです。

同じく大学生の山口さんは、前任の講師からの紹介で講師になりました。前任者の授業に立ち会い、授業の進め方などの引きつぎもあったので、スムーズに授業を始められたそうです。生徒が初めて「わかったー!」と言ってくれた時はとても嬉しかったとはにかみながら話してくれました。ただ今は、受け持ちの生徒が4月から高校3年生になることもあり、受験生を教えていけるか心配していました。

最後に一番印象に残ったことを聞いてみると、松原さんが次のようなエピソードを話してくれました。

ある日生徒が突然泣き出しました。どうして泣き出したのか理由もわからず、その日は迎えに来ていた生徒の母親が「よくあることなんですよ」と言って連れて帰っていきました。後日生徒に泣いた理由を聞いてみると「問題がとけなくて悔しかった」と話してくれたそうです。

きっと生徒は一所懸命教えてくれていることを感じ、何とか問題を解きたいと頑張った結果の涙だったのではないでしょうか。

今回話を聞かせてくれた二人は、大学での勉強やアルバイトをしながらボランティアで講師をしています。話していても気負ったところはなく、生徒の前でも自然体で勉強を教えているんだろうなと思います。こうした講師一人ひとりの人柄と工夫の積み重ねが、生徒たちと信頼関係を生み進学への希望をつなぐとともに、団体の理念を支える大きな力になっているんだと強く感じました。

まだまだ課題もありますが、それ以上に大きな可能性を感じることのできた訪問でした。

 

訪問の翌日、飛行機の時間まで余裕があったので、太宰府天満宮へ参拝してきました。受験シーズン真っ盛り、全ての受験生が体調など崩さず本来の力を発揮できることを祈るばかりです。

ご協力いただいた福岡教育サポートの皆様、最後まで読んでいただいた皆様ありがとうございます。

~ご支援のお願い~

お金をまわそう基金では、NPO法人福岡教育サポートへの寄付を受け付けています。
頂いた寄付は、ボランティアの講師の交通費や塾の教室の賃借料に活用されます。
お金をまわそう基金を通して頂いた寄付は、

・お金をまわそう基金で運営費・手数料等を差し引くことなく、全額支援先にお届けします。
・確定申告によって税制優遇措置を受けることができます。

引き続き皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

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