【開催報告】夏休み科学実験教室 ふしぎな光の世界 スヌーズレン体験&ブラックライト実験

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【開催報告】夏休み科学実験教室 ふしぎな光の世界 スヌーズレン体験&ブラックライト実験

7月30日(土)にお金をまわそう基金の主催(後援:千代田区教育委員会)でNPO法人スヌーズレンを普及する会理事長の山根さんにリモートで登壇していただき、「夏休み科学実験教室 ふしぎな光の世界 スヌーズレン体験&ブラックライト実験」と題したイベントを開催しました。
小学3~6年生とその保護者の方を対象としています。

スヌーズレンとは

「スヌーズレン」は障がいのある方と支援する方に対して、五感を適度に刺激する空間でのびのびと過ごしてもらうというヨーロッパで生まれた考え方です。
スヌーズレンを行う空間の中でも、ブラックライトから出る特殊な光に反応して様々なものが光る「ブラックライトルーム」の普及を進めているのがスヌーズレンを普及する会です。
ブラックライトルームでは、暗い中で様々なものが光る幻想的な空間を楽しむことができます。

ブラックライトルーム

今回のイベントではブラックライトルームを体験し、その光る仕組みを実験で確認しながら、スヌーズレンを普及する会の活動を見ていきます。

不思議なスヌーズレン&ブラックライトパネルシアターの体験

自己紹介が終わると、実際にブラックライトルーム(スヌーズレン)の体験が行われました。
暗闇の中で様々な色に光るパネルは幻想的で、お子さんたちも見入っているようでした。

スヌーズレン体験の様子

山根さんに解説していただきながら展示物を一通り見た後で、光るパネルで絵本の物語を楽しめるブラックライトパネルシアターを上演しました。
今回上演したのは国語の教科書にも採用されている「スイミー」です。

お話を知っている方がほとんどだったと思いますが、光るパネルを動かすため、お子さんたちが夢中になって鑑賞している様子が伝わってきました。
ブラックライトパネルシアターとして上演できる絵本は他にも様々なものがあります。

 

ブラックライトでいろんなものを光らせてみよう

不思議なスヌーズレン体験の後、スヌーズレンの部屋では様々なものにブラックライトの光(紫外線やそれに近い光)が当たって光っていたことを解説し、実際に身近なものを光らせる実験も行いました。

ブラックライトで光るものと光らないものを確認し、光るものには蛍光物質というものが含まれていることを解説しました。
スヌーズレンの部屋で光っていたパネルにもこの蛍光物質が多く含まれていたのです。

ヒミツのイラスト作り

身の回りで蛍光物質を多く含んでいるものとして挙げられるのは蛍光ペンです。
黒い紙に蛍光ペンでイラストを描くと、明るいところでは見えづらく、ブラックライトを当てると光るイラストになります。
そこで、小学生のお子さんたちには将来の夢を描いてもらい、保護者の方にブラックライトを当ててイラストを見てもらうという実験をしました。

イラストを描いてもらった後、1組ずつお子さんと保護者の方で何が描かれていたか答え合わせをしました。
お子さんたちそれぞれの個性的な将来の夢がヒミツのイラストになりましたが、無事にどの組も正解となりました!

研究を社会貢献に活かしたスヌーズレンを普及する会

ブラックライトや蛍光物質について理解したところで、山根さんからスヌーズレンを普及する会の活動について講演していただきました。

NPO法人 スヌーズレンを普及する会理事長 山根 文夫 氏

まず語られたのは山根さんが世界初の蛍光トナーの開発に携わられたことです。
蛍光物質を含んだ特殊なインクを複数混ぜ合わせることでフルカラーを実現しています。

山根さんはフルカラー蛍光トナーを活用する方法を模索され、調べるうちにスヌーズレンを行う場としてブラックライトルームというものがあることを知りました。
そこで、山根さんは2度にわたりヨーロッパを訪れ、実際のブラックライトルームを確認します。
しかし、現地で見たブラックライトルームは光るものの数や種類が少ない状態でした。

フルカラーの蛍光トナーを使えば印刷するだけで様々に光るパネルを作ることができ、蛍光グッズに活かすこともできます。
光るものが増えれば部屋がにぎやかになり、体験する人の受ける印象も大きく変わります。
実際に山根さんがヨーロッパを訪れた際も、現地のブラックライトルームに様々な蛍光グッズを飾ったことで大変喜ばれたということです。

こうしたことがきっかけで、2018年に山根さんを理事長としたNPO法人スヌーズレンを普及する会が設立されました。
スヌーズレンを普及する会では、スヌーズレンについての研究や研修会の開催のほか、スヌーズレンの体験会や蛍光グッズ・ブラックライトパネルシアターの無料貸出を行っています。

このように山根さんのお話を通して山根さんやスヌーズレンを普及する会の歩んだ道をたどることができました。

お子さんたちが将来の夢をヒミツのイラストにしてくれましたが、山根さんのお話は将来の夢を活かしたらどのような社会貢献ができるか考えてもらうきっかけになったのではないかと考えます。
このほか、スヌーズレンの持つ可能性や大学の研究成果など盛りだくさんの内容でした。

スヌーズレンの可能性

イベント自体は以上の内容で終了しましたが、終了後もスヌーズレンの部屋で自由体験を行い、スヌーズレンの部屋の蛍光グッズで自由に遊んでもらいました。

お子さんたちが想像力を働かせて思い切り遊ぶ様子や蛍光グッズの仕組みについて考えている様子を見て、スヌーズレンの持つ魅力と可能性について感じることができました。
日常と大きく異なる空間では、受け取る刺激の一つ一つが新鮮に感じられ、その場にいた大人も子どももパネルの鑑賞やグッズの体験をしながら思い思いの時間を過ごしていました。
この空間であれば障がいの有無に関わらず体験した人たちが一緒に楽しむことができそうです。
実際に体験した自分もウン十年前に初めて映画館に行った時のようなドキドキした感覚を味わうことができました。

NPO法人スヌーズレンを普及する会にご支援をお願いいたします!

NPO法人スヌーズレンを普及する会は理事長の山根さんが開発に携わられたフルカラー蛍光トナーを活用することで社会貢献をしている団体です。
まだ「スヌーズレン」という言葉は広く知られてはいませんが、全国の障がいのある子どもや幼稚園児を中心にスヌーズレン用の光るパネルやブラックライトパネルシアターセット一式の無料貸し出し事業を行っており、体験した子どもたちに親しまれています。

一方で、これまで借りる側が送料のみを負担する仕組みで行われていましたが、その送料が高くて体験できないという施設の子どもたちもいます。
そこで、送料も含めて無料で体験できるようにスヌーズレンを普及する会では寄付を募集しています。
いただいた寄付は全額送料に使われます。
これにより、さらに多くの子どもたちがスヌーズレンを体験でき、障がいがあったとしてもその空間で好奇心のままに過ごすことができるようになります。

皆様のご支援をお願いいたします!