2023年度事業完了のご報告(NPO法人タイガーマスク基金)

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2023年度事業完了のご報告(NPO法人タイガーマスク基金)

2023年度のNPO法人タイガーマスク基金の活動にご支援いただき、まことにありがとうございました。

当法人では、児童養護施設や自立援助ホームなどの社会的養護の施設から四年制以上の大学に進学する経済的困難を抱える学生に、返済不要の奨学金を届け、その学びを支援しています。

2023年度は大学進学した新入生68名と進級した96名に総額1,120万円の奨学金を届けることができました。そのうち、3年生に進級した18名と4年生に進級した14名、計32名の奨学金は、お金をまわそう基金を通じてご寄付いただいた支援者様のご厚志によるものです。

皆さまのお力添えに改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

今年度、特に顕著だったのは新入生からの応募の増加でした。

コロナ禍前の新入生の応募は毎年30名程度で推移していました。2020年度からは緊急事態宣言によりアルバイトの収入が減少したことで、新入生の応募は40名程度に増えました。

しかし、その後コロナが5類に移行となり、アルバイトの収入もコロナ前に戻っている様子から、応募数も落ち着くと予想していたところ、実際には68名という過去最高の応募があったのです。前年度と比較すると、その数は1.7倍にも跳ね上がりました。

その原因は41年ぶりの物価高騰でした。親を頼ることができない学生たちは、もともとギリギリの生活を強いられています。日用品や食品、光熱費などの値上げは、それが数十円単位の負担であっても、深刻な影響があることが判明しました。

タイガーマスク基金が活動を開始した頃には存在しなかった給付型奨学金制度により、社会的養護出身の大学進学者が増えてきていることは喜ばしいことです。しかし、10代後半から20代の若者が、たった一人で生活し、大学に通うことは現状の制度だけでは到底充分ではありません。

私たちの未来を支える子どもたち・若者たちが「学ぶ」ことを「当たり前」に選択できる社会創りのために、引き続きこの活動を続けてまいります。

『僕の夢は医師になることです』
6年前、タイガー進学支援金の応募用紙に、そう書き綴った児童養護施設出身の若者が、この春、医学部を卒業し、医師国家試験に合格しました!

コロナ禍でバイトができなかったことや、医学部の実習が難しくなったことなど、予想もしない困難もありましたが、「多くの人から信頼される医師になりたい」という目標を掲げ、努力を重ねてきた彼を心から讃えたいと思います。そして、6年間支え続けてくださった皆さまに心から感謝申し上げます。 

施設出身でも、医学部を目指せるし、医師にもなれる。このチャレンジを「美談」で終わらせず、児童養護施設で暮らす子どもたちが、自分の未来を「自身で」「自由に」選択できる社会にするために、引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

助成対象事業の詳細はこちら

 

2024年度の活動につきましても、寄付の募集を行っております。
皆様の温かいご支援を何卒よろしくお願いいたします。

働きながら学ぶ児童養護施設出身の学生に返済不要の支援金を