12/16(月)、弊団体にて「お金をまわそう基金4周年 活動報告会・忘年会」を開催しましたので、その様子をレポートします。
当財団 代表理事 澤上篤人のご挨拶
澤上からは、次のような話をさせていただきました。
「世の中には素晴らしい理念のもと活動に勤しむ団体が沢山ある。
そういった団体の活動を広く世に知ってもらい、多くの個人・法人が支援できる仕組みを作りたい。そのような想いから、「お金をまわそう基金」を設立して4周年を迎えた。
おかげさまで沢山の方々からご支援いただき、ここにいる皆様にも感謝の気持ちでいっぱいだが、まだまだ我々の目標からは遠い状態。日本に寄付の文化をもっともっと根付かせていきたい。だが、我々の力だけでは根付かない。多くの人の手助けが必要。
日本の預貯金の1%が寄付へまわったら川下までお金が届き、即座に消費がはじまり日本経済の活性化につながる。時間はかかるけど、やり続けねばならない事業だと思っている。」
当財団 事務局長 山下大作の報告
山下からは、第4期のハイライトや第5期に注力するポイントをご説明しました。
- 寄付者数、寄付額および助成額はおおむね前期比2.5倍
- 助成先団体数のみ、伸び悩み
- 第4期の注力したポイント
1:ファンドレイズ施策
2:寄付受付から個人情報管理までをICT化(セールスフォース利用)
3:および休眠預金口座の資金分配団体の受託 - 第5期の注力するポイント
1:ファンドレイズ施策
2:助成先団体数を増やすため申請についてICT化(セールスフォース利用)
3:休眠預金口座の助成金を利用した助成の開始・運営
タイガーマスク基金(事務局長 工藤ルリ子)の報告
タイガーマスク基金は、子ども虐待防止の啓発活動や児童養護施設などの社会的養護施設で暮らす子どもたちの大学進学支援を中心に活動しています。
工藤さんより、以下のお話がありました。
- 児童養護施設出身者の大学等への進学率は16%と、全国平均の52%と比較して著しく低い水準
- 施設の子どもたちの大学進学を阻む壁として、
1:ほとんどが18歳で施設を退所しないといけない
2:身近に頼れる大人がいない
3:高すぎる日本の学費
4:脆弱な奨学金制度
などが挙げられる - お金をまわそう基金からの寄付を充てている「進学支援金」は学生への4年間の継続支援である。返済&保証人不要、使途指定なしのため、学生からは大変喜ばれ、これまでのべ626名に支援を届けている
- 学生からは「進学支援金のおかげで自分の将来への選択肢を増やすことができました。」など多くの喜びの手紙が届いている
ア・ドリーム ア・デイ IN TOKYO(理事 兼 事務局長 津田和泉)の報告
ア・ドリームア・デイIN TOKYOは、生命に危機のある病気を直視しなければならない3才から18才の難病児とそのご家族に対して、夢の実現とご家族の楽しい思い出作りを支援する事業を行っています。
津田さんより、以下のお話がありました。
- 日進月歩で進化する医療技術は、幼い難病児の生命を救う反面、お子さんとご家族が病気と長く闘うことも意味する。人工呼吸など医療的ケアが必要な難病児は、この10年で約2倍に増えている
- 難病児の7割の母親が24時間の介護に励み、恒常的な睡眠不足と戦っている。病児のきょうだいも親に甘えることを控えてしまうなど、周囲が気付きにくい課題も多い。また、結果的に病児とご家族は社会との接点が少なくなりやすい。
- 母にリフレッシュの機会を、我慢の多い兄弟姉妹に楽しむ機会を「旅行」の提供だけでなく、2018年からは複数の病児とご家族の出会い励ましあう場づくりも行なっている
- 受け入れのご家族からは
「(病児の)弟になかなか時間を取れないけど、旅行中はゆっくり話ができました」
「飛行機に乗って家族旅行ができるとは思っていなかった」
「他の家族にも旅行を体験して欲しいと思いました
などの声をいただいた
森ノオト(理事 兼 事務局長 梅原昭子)の報告
森ノオトは子育て世代の女性が中心となって、持続可能なまちづくりに取り組み、地域活動団体の広報・発信力を高めるための講座事業や、他地域での市民ライター育成事業を行っています。梅原さんより、以下のお話がありました。
- お金をまわそう基金の支援金を充てているのはローカルメディア事業。ローカルメディアとは市民ライターを養成講座で育成し、地域活動の取材をしながら、その地域の魅力や課題を自分の言葉で発信していくもの。等身大で共感しやすく、プロでないからこその素直な視点で発信できる。
- 等身大で伝える情報は、同じ地域に住む読者の共感を得て、「行ってみたい!」「やってみたい!」と行動を促し、結果的にまちづくりへの関心を持つ人が増えていく…そんな好循環を生み出す。
- 森ノオトのメディアは「自分への、そして社会へのギフトとなる取材」であることがポイント。森ノオトのようなクライアントに左右されない寄付型メディアはもっと注目されるのではないか
クリエイト(理事 多田洋美)の報告
クリエイトは小中学校に通えていない児童生徒を受け入れ、多様な教育機会を提供するためのフリースクールを運営しています。多田さんより、以下のお話がありました。
- 小中学校の長期欠席の人数は6年連続で増加している
- クリエイトは原因がはっきりしている不登校児や、学習や生活面でサポートが必要な児童が通うフリースクール。
- 現在フリースクールは教育機会確保法によって学校以外の学ぶ場所と認められる方向に。しかし公教育とは認められないため、運営面でのサポートは全くなく、運営の継続・資金の確保は大きな課題
- お金をまわそう基金からの助成金によって、教材や設備の拡充などができた
- 子どもたちからは
「自分の意見を口に出して言うこと、自分で決めた目標をクリアすること。今は習慣になったけど、聖書通読を毎日したことも苦労した。でも卒業してから、間違っても、おかしくても、 自分に自信を持って意見を言うことができるようになったのが活かされています。」
「普通の学校にはない教育方針、つまり自分たちの個性を尊重し、成長の手助けをしてくれる学校でもあり、僕たちに本物の自由と主体的に生きる力を発揮させてくれた学校です。」
などの声が届いている
活動報告後は忘年会へ
立食形式で、助成団体は各ブースを作成。寄付者の皆様からは多くの差し入れもいただき、それぞれに歓談を楽しみました。
スタッフ一同、本日皆様と対面で交わしたお言葉やいただいた沢山の想いを胸に留め、これからも“社会の中にやさしいお金の流れをつくり、日本で寄付文化をもっともっと広めていく活動”に励んでいきます。
ご参加いただいた皆様、レポートをお読みいただいた皆様、ありがとうございました!