子ども食堂と学習支援で子どもの未来を応援 川崎寺子屋食堂

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子ども食堂と学習支援で子どもの未来を応援 川崎寺子屋食堂

川崎寺子屋食堂を訪問しました

6月中旬の夕方、神奈川県川崎市内にある『NPO法人川崎寺子屋食堂』を訪ねました。

川崎寺子屋食堂では、子ども食堂と学習支援を合わせた『寺子屋食堂』を地域の子ども向けに全て無料で行っています。現在はJR南武線「宿河原」駅と「稲田堤」駅にある市の施設2か所で開催しており、今回訪ねたのは稲田堤駅近くの会場です。

夕方の5時半ごろに伺うと、理事長の竹岸章さんが、子ども達が勉強をしている大部屋に案内してくれました。部屋の中では小学校4年生から高校3年生までの10名ほどの子ども達が、学年ごとに幾つかのグループに分かれて勉強をしています。

それぞれのグループには先生がついて、一人づつ勉強を見て回っています。グループによっては一人のところもあり、生徒一人ひとりの進み具合に合わせてじっくり教えている印象です。

 

中学生、高校生たちは黙々と問題を解いたり、真剣に先生の説明を聞いたりしています。一方で最年少の小学校4年生の子ども達は、先生が離れると直ぐに隣の子とおしゃべりしたり、ふざけあったりしています。落ち着いて席に座っていることもできません。

竹岸さんは、そんな子ども達を注意しながら「4年生たちは通い始めたばかりで勉強の習慣が出来ていないんです。学習習慣が身に付くには1年くらい必要です。」と教えてくれました。

確かに隣で勉強をしている5年生のグループを見てみると、まだキョロキョロしてしまうこともありますが、かなり勉強に集中できるようになってきています。こうして学習習慣が身についてくるに従い、クラスで一番の成績をとる子どもも増えていくそうです。

ベテラン塾講師が始めた子どもの貧困への挑戦

 

子ども達が勉強をする様子を見たあと、竹岸さんから別室で川崎寺子屋食堂の活動について伺いました。

竹岸さんが川崎寺子屋食堂を設立したのは2017年です。当時、竹岸さんは35年に渡って子ども達に勉強を教えてきた大手進学塾を定年退職し、これから何をしようかと考えていました。そんな時に『子どもの貧困』という問題を知り、貧困とその連鎖を断ち切るために食事支援と学習支援を両輪とした仕組みが必要だと思い至ります。

そして、周囲に「必ず10年は続けます」と宣言をして協力を募り、川崎寺子屋食堂の活動をスタートしました。

初めの頃は生徒集めに苦労していましたが、現在は市と県の教育委員会の後援を受けられるようになり、活動が徐々に広まって生徒も増えてきています。生徒は家庭の経済状況などにかかわらず小学校4年生から高校3年生であれば誰でも受け入れています。現在は2つの会場合わせて32人が通っており、そのうち2/3がひとり親家庭の子どもたちです。

川崎寺子屋食堂の特徴

 

川崎寺子屋食堂の最大の特徴は、開催日の多さです。

通常 子ども食堂は、人手や食材の調達、調理や衛生管理などの負担が大きく、開催日数を増やすことはとても困難です。そのため、多くの子ども食堂では月に1~2回の開催にとどまっています。しかし、川崎寺子屋食堂では、大手外食チェーンの協力を得てケータリングサービスをリーズナブルに利用しています。これにより、子ども達に食事を週4日提供できるようになりました。

また学習面支援も充実しています。ここでの勉強は、竹岸さんが進学塾で培ったノウハウをもとにしたカリキュラムに従って進められています。また、子ども達の勉強を見る先生は、定年退職をした元教師を中心とした経験豊富なボランティアたちです。さまざまな生徒たちに勉強を教えてきた経験を活かして、子ども達一人ひとりに勉強を教えています。同時に、子ども達からの学校生活や進路についての相談にも乗ってくれる頼もしい存在でもあります。

 

川崎寺子屋食堂では、将来の選択の幅を広げるため理系の大学を勧めています。そして高校生たちには希望の進路に合わせたカリキュラムでしっかり勉強を教えていきます。難関校を受験する子どもには、合格に向けて最適なカリキュラムを用意します。また、必要であれば外部の協力も取り付けるなど全力でバックアップをしています。

こうした臨機応変なサポートには、竹岸さんや先生たちが進学塾や学校で培ってきた経験とネットワークが大いに活かされています。

さらに、川崎寺子屋食堂の取り組みは、仕事と子育てで忙しい共働き家庭や、ひとり親にとっても大きな助けになっています。安心して子どもを任せられる場所ができることで、親は仕事に専念できる時間が増えます。中には、その時間を使って資格取得のための勉強している親もおり、家計の安定に貢献しています。また、スポーツ教室やバーベキュー大会、クリスマス会など親子で参加できる企画も定期的に行っており、親子や家族同士の交流の機会になっているそうです。

子どもも大人も笑顔になるゴハンの時間

 

竹岸さんから話しを伺ったあと、4年生たちや先生と一緒に晩御飯を食べさえてもらいました。食事はケータリングのご飯とおかずの他に、お味噌汁と生野菜のサラダが用意されています。子ども達は席について友達とおしゃべりしながら楽しそうにご飯を食べています。

ここでは、完食指導をおこなっています。ご飯を残してしまいそうな子は、最初に食べられない分を上級生などに食べてもらっているそうです。しかし、一緒に食べた子たちは食欲旺盛で大人たちからおかずを分けてもらっていました。私のおかずも隣の子に分けてあげると、お礼に「これをご飯にかけて食べると美味しいよ」と粉チーズのケースを渡してくれました。試しに彼の真似をして食べてみると意外とおいしく頂けました。それを切っ掛けに、学校ではやっている遊びなど色々と話してくれました。

正直に言うと、食事にケータリングを利用していると知ったときは「ここで食事を作っていないんだ」と、少し複雑な気持ちでした。しかし今は家で一人でご飯を食べる子どもが増えています。友達や先生とおしゃべりをしながら楽しそうに食事をする子ども達を見て、先ずは笑顔で食事できる機会を増やすことがとても大切なことだと実感しました。

夕飯を食べ終って勉強を再開しようという時に、トイレに行っていた子どもに先生の一人が『〇〇君、スリッパそろえていなかったよ』と声を掛けていました。言われた子は『いけね、忘れてた』と言ってパタパタとトイレに戻っていきました。子ども達は日々ここで、さまざまな年代の子どもや大人たちと接しながら、勉強以外にも多くの事を学んでいるようでした。

子どもの貧困とその連鎖を断ち切るために

 

川崎寺子屋食堂の活動から感じたのは、貧困の連鎖を断ち切り子どもの貧困をなくすんだという強い意思です。どうしたら子ども達が将来の選択肢の幅を広げることが出来るのか常に考えています。

竹岸さんから聞いた話に「経済的に困難な環境で育った子は高望みをしなくなる」という言葉がありました。そうならないために、学習習慣を身につけさせることで学力の底上げをし、受験においても万全な状態になるように手を尽くしています。

また、全国の子ども達が同様の支援を受けられるようにしたいと考え、『寺子屋食堂を開設する団体に対する支援策』も打ち出し、希望する団体には様々な支援を行います。2018年には兄弟団体になる東京都北区でNPO法人寺子屋子ども食堂・王子が活動を始めています。

そんな川崎寺子屋食堂ですが、現在は安定した財源はなく、関係者が人脈をたどって活動資金を集めている状況です。この活動を継続的なものとして確立して全国に広げていくためにも、幅広い方からの支援が大きな課題となっています。

 

~ご支援のお願い~

お金をまわそう基金では、NPO法人川崎寺子屋食堂への寄付を受け付けています。
頂いた寄付は、今回ご紹介した寺子屋食堂で提供される食事に充てられます。

 3,000円の寄付で7.5食分の食事を子どもに提供できます。
 5,000円の寄付で12.5食分の食事を子どもに提供できます。

皆様からのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

・頂いた寄付は全額をNPO法人川崎寺子屋食堂へお届けします。

・お金をまわそう基金からの寄付は税制優遇措置の対象となります。

 

活動の詳細、ご支援はこちら