子どもたちに笑顔を ~「やりたい!」を「できた!」に変える自助具を届けます~

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子どもたちに笑顔を ~「やりたい!」を「できた!」に変える自助具を届けます~

「自助具」をご存じでしょうか。

「自助具」は、身体機能に何らかの不自由や不便がある方が、食事や入浴、家事、余暇など、日常生活をより快適に送るために、あるいは必要な作業を可能な限り自分で行えるように、特別に工夫された福祉用具のことです。

ただ、自助具は機能性を重視しているため、見た目はそれほど考慮されていません。自助具を使うことで障がいが際立つこともあり、それがきっかけで自助具を使うことに消極的になってしまう方もいます。

「やりたい.できた.ラボ」のロゴ。手指の不自由なお子さんが、田中さんの自助具を使って書きました。

NPO法人そいるの代表理事 田中啓規(たなかひろき)さんは、作業療法士として、児童発達支援センターや児童発達支援・放課後等デイサービス等でたくさんのお子さんやご家族と関わってきました。

田中さんはその豊富な経験の中で、自助具をかわいいデザインにすれば、障がいのあるお子さんたちの支援に役立つのではないかと考えました。

この発想から始まったプロジェクトが「やりたい.できた.ラボ」です。

「やりたい.できた.ラボ」では、子ども一人ひとりの身体的・発達的特性に応じた自助具の作成と活用を通して、子どもたちの「やりたい!」という思いを「できた!」という成功体験につなげています。

自助具は、デザイナーさんと相談しながら、子どもたちが大好きな恐竜や動物などをモチーフに、3Dプリンターで作ります。サイズや角度など細かく調整しながら、子どもが最も使いやすい形に整えていきます。

田中さんの自助具は、ただ「使う道具」ではなく「お気に入りの仲間」として感じられるのが大きなポイント。オーダーメイドでサイズや角度を調整するのは、まさに「その子のためだけの特別なデザイン」。
機能性と楽しさが融合しているのが魅力的です。

こうした工夫は「自助具=楽しいもの」というイメージにつながり、子どもたちが積極的に使いたくなる効果も期待できます。

 

2025年夏、兵庫県三木市にあるNPO法人そいるを訪ねました。

そいるは、児童福祉法に基づき、児童発達支援事業や放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などを行っている団体です。発育や発達に不安のあるお子さん、障がいのあるお子さんとそのご家族に寄り添い、日々の生活や成長を支えています。

この日は5人のお子さんが利用しており、保育士や看護師、作業療法士など、専門資格をもつ職員9名のうち8名が療育にあたっていました。

かつて歯科医院だった建物は天井が高く明るく開放的。子どもたちの活動や動線に配慮したお部屋は広々としています。

訪れたときはお遊びの時間の真っ最中。絵本を読んだり手遊びをしたりと、子どもたちは楽しい時間を過ごしています。

スタッフのみなさんは、やさしい声と笑顔で子どもたちに寄り添いながら、次のお遊びの準備を進めていきます。その動きはとてもスムーズで、チームワークの良さが伝わってきました。子どもたちへの深い愛情と、仕事に対する誠実さがにじみ出ています。

 

次のお遊びは、本日のメインイベント。子どもたちが大好きなお絵かきです。大きな板に貼られた白い紙に、赤い絵の具を使って、思い思いに描いていきます。

子どもたちは大興奮。
筆だけでは物足りず、手や指にたっぷり絵の具をつけて、夢中で紙に向かいます。

自分で思うように身体を動かすことが難しいかえちゃん作業療法士のけい先生に支えてもらいながら、自助具をつけた手で白い紙に赤い線を描いていきます。

自分の動きに合わせて線が現れるのが嬉しくて、かえちゃんの全身から楽しさがあふれています。

手が疲れてくると、今度は足の指に自助具をつけてもらいます。
けい先生が支えながら筆を動かすと、紙の上にはかえちゃんが大好きなハートが次々と描かれていきました。

筆が動くたび、白い紙に広がる鮮やかな赤、さまざまな線、そしてハート。その一つひとつに、かえちゃんの喜びが重なっていくようでした。

この日、いちばん長くお絵かきを楽しんでいたかえちゃん。手や足をきれいにしてもらい、看護師のさち先生に見守られながら、幸せそうにお昼寝を始めます。

この日のお絵かきは、かえちゃんにとって素敵な思い出になったことでしょう。きっと夢の中でも今日描いた赤い線やハートが広がっているはずです。

 

お弁当を食べ終わると、今度は遊びの時間です。
遊び部屋では、ボールで元気に遊ぶ子、ゲームに夢中になる子など、それぞれが自分の「好き」を見つけて過ごしています。

そのそばには、いつもスタッフの姿があります。一人ひとりの様子をしっかり見守りながら、必要なときにはそっと声をかける。そんな安心できる空間で子どもたちは自由に遊んでいました。

やがて、保護者の方々のお迎えの時間に。
その日の様子を伝え合ったり、ご家庭での様子を聞いたりと、自然と
会話が弾みます。

中には、少し長く話し込む方の姿もあります。子育ての悩みを気軽に話せる存在として、そいるのスタッフが信頼されていることが伝わってきました。

パワフルで明るく、そしてとても優しいスタッフのみなさん。
「このテンションはお仕事モードなのかな?」と思っていたのですが、どうもそうではないようです。お子さんたちが帰った後にお願いした写真撮影の場面でも、変わらず笑顔で和やか。みなさんの人柄そのものが、あたたかな空気をつくっているのでした。

そいるのスタッフとの出会いが、子どもたちの安心や成長につながっている。そんなことを感じさせてくれる貴重な時間でした

田中さんが生み出すかわいい自助具の数々は、そいるの「すべては子どもファースト」という想いがそのまま形になったもの。
ひとつひとつに込められたやさしさが、この自助具を必要とするお子さんの手元に届きますようにと願いながら、そいるを後にしたのでした。

NPO法人そいるは、お子さんたちが「使いたい!」と思える可愛い自助具を作成し、お子さんの「やりたい!」「できた!」という夢を叶えています。
みなさまからのご寄付は可愛い自助具の材料費などに大切に使わせていただきます。
温かいご支援を何卒よろしくお願いいたします。

「やりたい!」を「できた!」に変える自助具を子どもたちに届けます!