
お金をまわそう基金は、皆さんからお預かりした寄付を助成金として、助成先団体にお届けしています。
一般的な助成金は、事業に必要な額の全部または一部が財団などから渡されます。
一方、お金をまわそう基金の助成金は、その「団体」を指定した寄付の全額と、「分野」への寄付のうち、その団体に配分される分との合計となっています。助成金でありながら、助成先団体が、自分たちでも寄付の呼び掛けを行う仕組みとなっているのです。
なぜこのような仕組みを導入しているのか、ご紹介させていただきます。
助成金の落とし穴
多くの非営利団体は、様々な助成金をもらって事業を行っています。助成金とは、国・地方公共団体や民間団体が、組織などに対し、返済不要で支給される金銭のこと。非営利団体が事業を行うための資金を提供するという点で、様々な助成金は大きな助けとなっています。
しかし、助成金は審査に通らなければ1円ももらえません。そして、今年は助成金で事業を行うことができたとしても、審査に落ちたら翌年は事業を行うための資金が無くなってしまう、ということが起こりうるのです。また、助成金を出している団体が制度を変更することもありますし、「最長3年間」のように、期間の制約がある場合もあります。毎年絶対にもらえる保証はないのです。
非営利団体が事業を行う上で、助成金を獲得することは必要ですが、助成金のみに頼って事業を行うことは、誰かに事業を継続できるかどうかの決定をゆだねているようなものだとも言えます。
寄付を呼び掛けることの意味
助成金だけに頼るのは、事業の継続を不安定にする可能性があるからこそ、私たちは、団体が自分たちで寄付を集めて事業を行うということが必要だと考えています。
お金をまわそう基金の助成金は、その「団体」を指定した寄付の全額と、「分野」への寄付のうち、その団体に配分される分との合計になります。
事業に必要な額が大きくなればなるほど、「分野」への寄付の配分だけでは、事業に必要な額の全額を満たすことはできなくなります。そうなると、事業を大きく展開したい団体は、自分たちで、団体を指定した寄付を呼び掛ける必要があります。
その団体が本当に社会をよくするために必要な活動を行っているならば、どんな活動をしているのか、なぜそれが必要なのかを伝え続けていれば、活動の必要性を理解し、応援してくれる人は増えていきます。そして、応援してくれる人たちの中から、ボランティアや寄付という形で支えてくれる人も増えてゆくのです。
団体に共感し、必要だと考える人たちは、その団体が変わらない限り応援し続けてくれます。活動を展開するとともに、支えてくれる人が増えることで、安定して活動することができます。
「助成金」だけに頼らず、自ら情報を発信し、事業の必要性をつたえ、支援をお願いするという骨太な運営を行う団体が、長期にわたりよりよい社会に向けた活動を続けてゆくことができるのです。
「推し」の団体をみつけよう
助成先団体の中には、「初めて寄付の呼びかけを行う」という団体もいらっしゃいます。「何から始めたらいいのか分からない」という団体に対しては、お金をまわそう基金のスタッフが、「何を伝えるか」、「どう伝えるか」を一緒に考え、時には一緒に手を動かし、団体のイベントに足を運んで、お手伝いしています。
そうして自分たちの活動をお伝えし、届いた団体を指定した寄付は、団体にとって、「自分たちの活動を応援してくれる人がいる!」という励ましのメッセージになっています。お金による支援とともに、気持ちの支援として、団体の活動を支えているのです。
いくつもの団体の中から1つの団体を選んで行う団体を指定した寄付。活動に共感する団体、活動を続けて欲しいと思う団体が見つかったら、ぜひその団体にエールとして寄付を贈ってください。そして、その団体の活動を見守っていてください。