2023年度のNPO法人エンパワメントかながわの活動にご支援いただき、まことにありがとうございました。
コロナ禍の2020 年4 月からスタートした子どもの気持ちを聴くチャット「子どもしゃべり場」。2023 年度はバーチャルな居場所「LINE子どもしゃべり場」を開設し、様々な気持ちをかかえた多くの子どもたちとつながることができました。
「LINE子どもしゃべり場」は週2回(月・金 19時~21時)実施しています。「CAPスペシャリスト」の資格を持つ相談員が、「否定しない」「アドバイスはしない」「エンパワメント(人がもともと持っている心の力を引き出す肯定的な関わり)」を大切にし、子どもの話をひたすら聴くことで、子どもに自己肯定感が生まれ、失っていた自信を取り戻すことができます。
「LINE子どもしゃべり場」は、子どもの話を聴く場、子どもに自信を与える場、強いては次世代を担う子どもたちが安心して育つ場であると考えています。
<2023年度の相談結果概要>
相談件数:1,128 件
地域:全国
① 89%がリピーター
2023年度に新規でしゃべり場に来た子どもは全体の13%。
約9割が継続の相談者でした。
② 75%が高校生以上
子ども(18歳未満)を対象にしていますが、2023年度は19歳以上が43%を占めました。高校生は32%、中学生は20%でした。小学生からの相談は少なく4%にとどまりました。
<相談内容>
① 起きていること
子どもたちからの主訴は学校で起きていることが多く、心や身体の不調の相談が多く寄せられました。それまで誰にも言えなかった「いじめ」について話す子どももいました。
また、「その他」はカテゴリー分けできない子どもたちの様々な現状、具体的には「精神疾患」、「発達障害」、「希死念慮」などが多く見受けられました。
② どんな気持ち?
多くの子どもは「友だちと喧嘩をした」「いつも我慢させられる」など状況は話せても気持ちの言葉が出てきません。継続してかかわるなかで、心の中にしまっていた「つらい」「死にたい」「嫌」など、気持ちを表す言葉が沸き上がってきます。
一方で「話すことで楽になった、軽くなった」というプラスの気持ちを伝えてくれる子どももいました。
<子どもの変化>
2023年度の相談者のうち89%がリピーター。そのうちの24%が2020年および2021年からしゃべり場に来ています。エンパワメントの言葉がけは子どもに合わせて繰り返し行っていますが、傷つきや困難に対して子どもたちが自己肯定感を取り戻すには時間がかかることを実感しています。
LINE は一方通行ではなく、自分の言葉に相手の言葉が返ってきます。「ひとりじゃないよ」「あなたは大切な人」…言葉が画面に残り、何度も読み返せることもメリット。これからも、「一緒に考えよう」と、子どもたちに寄り添い続けていきます。
私たちの活動にご寄付を届けてくださったみなさまに心より御礼申し上げます。
本当にありがとうございました。