2022年度、みかんぐみの「ピアサポート交流事業」にご支援いただき、ありがとうございました。
「ピアサポート交流事業」では、病院から地域に戻ってきたばかりで不安と孤独感を抱える重症心身障害児・医療的ケア児の保護者に、先輩保護者であるピアスタッフとの交流会を通じて、地域での生活の見通しが持てるような知識やノウハウを共有するとともに、社会参加の機会を提供しています。
2022年度は、累計11名の保護者の方を迎えて、年間6回の交流会を計画通り実施することができました。参加者へのアンケートでは、全員から「また参加したい」との回答がありました。また、「不安が解消された」、「心が軽くなった」という前向きなコメントがありました。
関わったピアスタッフ13名も、「参加者が嬉しい顔をしてくれたので救われた」と肯定的な気持ちを持つことができ、参加者とピアスタッフが相互にエンパワメントしあう「ピアサポート」の力を感じることができました。
「ピアサポート事業」は交流会がメインと思われがちですが、交流会の事前と事後に行っている会議が、事業に欠かせない活動となっています。会議は、交流会の運営について話し合うのはもちろんですが、専門家ではないピアスタッフが抱く不安などに寄り添う貴重な機会となっています。
あるスタッフは、「会議があるおかげで、自分の過去を冷静に見つめ、心を揺さぶられすぎずに交流会で話すことができている」と語ってくれました。自身も当事者であるピアスタッフ一人ひとりの心を置き去りにしないことこそが、「ピアサポート事業」を成功に結び付ける鍵なのだと実感しています。
皆様のご支援を受けて、「ピアサポート事業」は開始してから今年で4年目を迎え、杉並区内の医療的ケア児・重心児の約半数が参加するまでに成長しています。今後も、心に寄り添える場、本当の支えの場となれるよう、継続してまいります。