「NPO法人森ノオト」は、子育て世代の女性たちが中心となって、持続可能なまちづくりに取り組む地域団体です。
横浜市青葉区を中心に、そこに暮らす人たちの取り組みを取材してWebで発信。市民ライターを養成講座で育成し、地域活動の取材をするなかで、地域の魅力や課題を知り、自分の言葉で伝えています。
等身大で伝えていく情報は、同じ地域に住む読者の共感を得て、「行ってみたい!」「やってみたい!」と行動を促し、結果的にまちづくりへの関心を持つ人が増えていく……そんな循環を生み出しています。
多世代があたたかく集える場「いいかも市」へ
2月の下旬、横浜市青葉区に「NPO法人森ノオト」を訪問しました。
この日は「いいかも市」の開催日。
「いいかも市」とは、森ノオトの活動拠点「森ノオウチ」&「森ノハナレ」を地域に開く、月に1度のマーケット。毎月第3金曜に、衣類や食べ物を始めとする地域のお店が出店します。
「森ノオウチ」&「森ノハナレ」の庭には移動販売車やテントが並び、さまざまな商品を販売しています。出店しているのは、全て近隣で活動をするお店や事業所、個人の方です。
地産地消のお弁当や地域の新鮮な野菜、焼き菓子やジェラート、近くの社会福祉法人が作っている干し野菜などの食品のほか、お花や布小物なども並んでいます。
また一軒家をリフォームした「森ノオウチ」では、介護サービス会社による健康相談やヘッドスパ、地域ケアプラザによる介護や子育て等の生活相談なども行われていました。
地域の方が自然体で過ごせる場所
スープを作る、森ノオト理事の梅原さん。
このスープは無料で参加者に提供されます。
梅原さんの周りには次から次へと地域の方々が集まって、それぞれ気軽に挨拶したり話したりして過ごしています。子どもたちは逞しく雑草を抜いたり、石を積んだりして自由に遊んでいます。続いて、活動拠点の一つである「森のハナレ」を見学しました。
まずは2階の工房へ。
ここでスタッフは、全国から集まった古布を用いて小物や服を作ります。
1階は普段はスタッフが作業をしたり会議を行ったりするスペース。手作りの部屋は木のぬくもりであたたかさに溢れています。
「いいかも市」のこの日は、色とりどりのバッグや洋服が並ぶ一方で、お花のワークショップも開催していました。
地域社会の活性化へ・・
「いいかも市」では、お金をまわそう基金のスタッフも地域の方々と気軽に挨拶をかわし、お話をさせていただきました。
そして、「森ノオト」の生み出す空間は“多世代がお買い物をしたり、おしゃべりしたり、あたたかく集える場”だということを体感しました。
昨今、人と人とのつながりが希薄化するなか、周りの人とうまくコミュニケーションをとれず孤立する人たちや、お互いが無関心のなかで発生する都市犯罪の問題など、「孤独に生きる」ことの問題点が明らかになっています。特に子育て世代やシニアは、地域や社会と孤立しがちです。
そんな世代が“ふらっと気軽に集える場”を提供するということは、コミュニティと居場所を作ることになり、地域社会の活性化につながります。
私は子育て世代なのですが、復職前は特に孤独になりがちでした。
とにかく自分が頑張って作らないと「大人と接する」機会を得られないのです。
美味しい食品や新鮮なお花が購入でき、同じ悩みを持つ世代や先輩と気軽に話ができる。
近所にふらっと行けるそんなあたたかい場所があったら、その場所に集う一人ひとりの人生の豊かさに貢献していくだろうと強く感じました。そしてそれは、子育て世代に限ったことではないと思います。
「NPO法人森ノオト」の活動は地域社会を活性化する重要な意義を担っており、それらの活動をロールモデルとして、いずれ様々な地域へ波及していくことを願わずにはいられません。
地域社会を活性化することは、ひいては日本全体が安心で活気に満ちた社会を創ることに繋がると思います。
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