「グエー死んだンゴ」から広まる寄付

  1. HOME
  2. インフォメーション
  3. ブログ
  4. 「グエー死んだンゴ」から広まる寄付
「グエー死んだンゴ」から広まる寄付

2025年10月14日20:00 「グエー死んだンゴ」という一言がX(旧Twitter)に投稿されました。

投稿者は「なかやま(@nkym7856)」さん。当時22歳の大学生で、2年前にがんと診断され、たびたび闘病の様子をXに投稿していました。

10月13日、なかやまさんの友人からの代理投稿により、なかやまさんが息を引き取ったことが伝えられました。

その翌日14日に、この投稿がなされたのでした。死の直前、本人が予約投稿したものでした。

この投稿を見た多くの人が、国立がん研究センターや、北海道がんセンター、大隅基礎科学創成財団など医療機関や医療関係の研究機関等に寄付したのです。

この動きは新聞やテレビのニュース番組にも取り上げられ、さらなる寄付を呼んでいます。

なぜここまで寄付が広がったのでしょうか。

背景の一つには、なかやまさんの投稿が、多くの人に感銘を与えたことにあります。「グエー死んだンゴ」は、大変な状況をユーモラスに表現するネットスラングです。人生これからというときに病を得て、自分の生死という究極の状況のなかで、残る人に宛てて命を懸けたユーモアを送る。そんな生き様が凝縮されたこの投稿が、悲しみだけではない強さをもって、多くの人の心を打ちました。

10月18日、この投稿を見た一人が、なかやまさんへの敬意をこめて、「お香典包んだンゴ」と国立がん研究センターへの寄付完了画面のスクリーンショットを返信として投稿しました。すると、多くの人がそれに続いたのです。

なかやまさんには何もしてあげられない。けれど、何かのかたちでこの気持ちを表したい。そんな切実な想いをもった多くの人が、「香典」という日本の文化に乗せて、「寄付」という行動をとったのです。日本においては、寄付文化とは、立派な思想ではなく、感情が行き場を見つけたときに生まれるものなのかもしれません。

国立がん研究センターへの寄付の受付番号を見ると、10月18日には7500番台でしたが、10月21日には24000番台、11月には30000番台、12月には34000番台と、2万人以上の人が短期間に寄付した様子がうかがえます。

死を悼む心、香典という日本の慣習、SNSという媒体、そしてインターネット文化が結びついた時、2万人以上の人が「寄付」に動きました。

きっかけは一人の青年の最後の一言でした。

最後の一言が、未来を創る一歩につながったのです。

なかやまさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。成仏してクレメンス