日本は「冷たい国」ですか?

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日本は「冷たい国」ですか?

イギリスのCharities Aid Foundationという団体が行っているWORLD GIVING INDEX RANKINGS 2024という調査があります。この調査は、世界142か国の14万5000人に対して、前月1か月間に以下のことをしたか質問し、「はい」と回答した人の割合をもとにランキングにしています。

  1. 見知らぬ人を助けましたか?
  2. 寄付をしましたか?
  3. ボランティアしましたか?

2024年の調査ではインドネシアが1位、2位ケニア、3位がシンガポールでした。寄付大国アメリカは6位、お隣の韓国は88位、中国は95位、そして、我が国日本は142国中141位となっています。
3つの要素の中でも、特に、「1 見知らぬ人あるいは助けを必要としている見知らぬ人を助けましたか?」が日本をワースト2位としている要因となっています。

では、日本はそんなに「冷たい国」なのでしょうか。
2022年調査でも119国中118位でした。Charities Aid Foundationはその理由を、「文化によるものであり、アメリカではチャリティとして受け止められることも、日本においては責任として理解される可能性が高い」と考察しています。

例えば旅行先で、地元のお店で店員さんに買い物ついでに道を尋ねたとき、丁寧に教えてもらったという経験をお持ちの方は多いと思います。その店員さんに「あなたは人を助けましたか?」と聞いても「いいえ」と答えるのが日本の文化なのです。

これは、寄付についても同じかもしれません。
例えば、上の世代の方に「寄付してますか」と聞くと、「してないよ」と回答が返ってきます。でも、その方は、地域の神社のお祭りのための協賛金など、コミュニティーのみんなのためにお金や物品を出しているのです。

「日本の寄付文化は遅れている」「日本に寄付文化が根付かない」と様々な場面で言われています。
しかし、日本には、地域のコミュニティーに根差した出し合い、支え合う文化があるのです。この私たちの文化は欧米から入ってきた「寄付」のあり方と違うため、「寄付」していない、と認識されています。そして、「寄付」は特別なこと、自分とは関係ないこと、と認識されるに至っているのではないでしょうか。

コミュニティーに根差した日本独自の出し合い、支え合う文化。寄付の環を広げるために、日本に必要なのは、「寄付」文化を根付かせようとすることではなく、出し合い、支え合う基礎となる「コミュニティー」の意識を広くしていくことなのかもしれません。