
2024年度もNPO法人タイガーマスク基金の活動にご支援いただき、まことにありがとうございました。
当法人では、児童養護施設や自立援助ホームなどの社会的養護の施設から四年制以上の大学に進学する経済的困難を抱える学生に、返済不要の奨学金を届け、その学びを支援しています。
2024年度は働きながら大学に通う社会的養護の施設出身の学生170名に総額1,155万円の奨学金を届けることができました。そのうち、3年生に進級した18名と4年生に進級した16名の支援金は、お金をまわそう基金を通じてご寄付いただいた支援者様のご厚情によるものです。
皆さまのお力添えに改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
4年間で30万円という進学支援金は大きい金額ではありませんが、「返済不要」であり、「使途が授業料に限定されない」ことから、卒業生のアンケート調査では92%が「とても役に立った」、8%が「役に立った」と回答しています。
特に、大学生活の後半は、実習や就職活動で多忙となり、アルバイトができず、交通費、資格試験の受験費用、スーツ等の購入費用がかさむため、支援金はとても有り難かったというコメントも多く寄せられています。
たくさんの方々に、社会的養護の子どもたちがおかれている環境に関心を持っていただくことで、公的な奨学金などの整備も進んできました。しかし、頼れる家族がいない子どもたちにとって、依然として「大学は贅沢品」であり、学力があっても就職して早期に収入を得ることが優先されているのが実情です。「ひとりで生きていかなくてはならない」という不安を抱えた子どもたちにとって、顔も名前も知らない方々からの応援は、経済的なことだけでなく、大きな励ましとなっています。
少子高齢化が急速に進んでいますが、施設で暮らす子どもたちの数に減少は見られません。賃金は30年前からほとんど上がらないのに、物価の上昇が続き、不安定な就労環境で子どもたちの養育が困難になる家庭も少なくありません。経済的にも精神的にも追い詰められた親が虐待や育児放棄をしてしまうのは、家庭だけの問題ではなく、日本社会の構造上の問題でもあると考えます。子育ては親だけの責任ではなく、社会の使命です。
私たちの未来を支える子どもたち・若者たちが「学ぶ」ことを「当たり前」に選択できる社会創りのために、この活動を続けてまいります。生まれや育ちに関わらず、子どもたちが安心して暮らし、巣立っていけるように引き続きのご理解とご協力をお願い致します。
大学を卒業する学生からの感謝のメッセージ①
4年間、ご支援頂き、ありがとうございました。奨学金のおかげで学費の支払いにあてることができ、学業に充実して取り組むことができました。
私は児童養護施設で働きたいと思い、現在の大学に進学いたしました。大学で学ぶ中で課題について知ることができ、陰で支えることのできるSEになりたいという夢ができ、内定を頂くことができました。
最後になりましたが、ご支援をくださった全ての方々に心よりお礼を申し上げます。
大学を卒業する学生からの感謝のメッセージ②
この度はこの様なご支援をしていただき、ありがとうございます。決して安いとは言えない教材や定期を購入し、学校に通うことができました。とても感謝しています。
ご支援があるおかげで、無理にアルバイトをつめ込む事や、自分の生活を切りつめるような事はせず4年間過ごすことができました。本当にありがとうございました。