相模漆の復活で、国産漆を増やす植栽事業に貢献を!

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相模漆の復活で、国産漆を増やす植栽事業に貢献を!
支援総額
657,155
92.92%
目標金額
707,215
支援者数
177
募集のこり
9

代表者からのメッセージ

日本人は縄文時代から幾世にも亘って漆という自然の恵みを上手に活かしてきました。

その日本の漆が、危機を迎えています。

漆はウルシの木から採取される「漆液」という天然素材で、安全で安心、きちんと育てることで何度でも再生が可能です。自然環境を汚したり、採取から製品作りの工程で大量のエネルギーを使うこともありません。持続可能な社会への貢献が期待できる素材でもあります。

先人たちから受け継いだ漆の文化を次の世代に伝えていく、そして漆をもっと社会のために役立てたい、それが私たちの思いです。

漆は、木を育てて採取するまでには、相当の手間と長い時間がかかります。一朝一夕に増やすことは叶いません。

日本から漆が消滅しないよう、まず私たちは漆を増やすため、活動に賛同していただいた地域・団体の植栽地へのウルシ苗や植樹の支援に取り組んでいます。

中でも秦野市の有志団体は、丹沢を再び「漆の里」として復活させようと地域ぐるみで取り組まれており、ウルシネクストは立ち上げから協働しています。

この秦野の活動を持続し、「漆の里」へと育てていくためには多くの方のご賛同とご支援が必要です。
どうぞ私たちの活動をご支援ください。よろしくお願い致します!

特定非営利活動法人ウルシネクスト
理事長  柴田幸治

ウルシネクストが取り組む社会課題

「漆」は、縄文時代から日本人の生活を、国の宝を、文化・芸術を支えてきた、日本が誇る天然素材です。この自然の恵み「漆」と漆文化が、今、存続の危機にあります。

日本文化を象徴する「漆」ですが、以前から国内需要は外国産、特に中国産に依存してきました。自給率は、40年以上にわたって1~5%程度という低さです。生産量も2020年には2トンを超えましたが、昨年2022年の生産量は1.8トン(前年比13.3%減)に留まっています。

頼りの中国産漆も年々減少し、2021年には輸入量が22トンと、1980年比で94%も落ち込みました。背景には中国の経済発展による仕事の選択肢の増加や、それに伴う山村での漆採取者の高齢化による担い手不足があります。

《漆の国内生産量・輸入量の推移(単位kg)》

資料:林野庁 林業白書 特用林産物生産統計調査をもとに当財団作成

このままでは国内需要に深刻な影響を与えるばかりでなく、漆や漆文化そのものが途絶えてしまいます。

永年の依存から脱却して日本の漆生産量を増やしていくためには、「植栽事業を広め、継続して育てていく環境を整える」ことを本気で考えていかなければなりません

ウルシネクストの活動と実績

ウルシネクストでは、植栽事業を広めるために、各地の有志団体や個人と連携し、お金をまわそう基金を通じた皆さまからのご支援を活用して、4年間で岩手県盛岡市上米内に1,932本、福島県飯舘村に30本、同会津若松市に320本、秋田県五城目町に75本、神奈川県秦野市に250本、京都府京北町に50本、富山県立山町に20本と、合計2,677本のウルシ苗を提供してきました

秦野市における植栽風景(2022年11月)

お陰さまで5期目を迎える今期は、これまでの植栽事業を継続的なものにし、持続可能なウルシの植栽地に育てていくために、各地域と伴走し、生育状況や課題を確認しながら、植栽後の生育環境の整備を協働で行っていく計画です。

今回の助成事業でウルシネクストが取り組むこと

秦野のウルシ畑の整備風景(2023年7月)

今回の助成事業として取り組む神奈川県秦野市は、かつて相模漆と呼ばれる漆の産地で、日光東照宮の下地漆として使われていたという歴史のある土地柄です。

その相模漆を復活させようと地元の有志団体「丹沢漆の里ムーブメント」が中心となって、ウルシネクストと共に国産漆を増やす取り組みの一環で2022年からウルシの植栽を始め、これまでに250本のウルシ苗を植えてきました。

地元の理解者、協力者も多く、将来的に産地の復活が十分期待できる地域です。

国内第2の産地である茨城県・奥久慈の漆畑

植栽後の圃場整備にも力を入れていただいている秦野市で、新たな植栽地約0.2ヘクタールを確保できる見込みが立ちました。

そこで、植栽に加えて獣害対策や下草刈りなど生育環境の整備を行える規模で、さらに200本のウルシ苗の植栽を計画し、着実に増やしていこうと考えています。

今回、ウルシ苗の調達にあたっては、国内第2の産地である茨城県・奥久慈漆生産組合さんの協力を得て、長年の研究の元に育てられた優良品種の分根苗を分けていただく予定です。

秦野市で漆を復活させるために

秦野市では「はだの一世紀の森林づくり構想」が提唱されています。

高付加価値の林産物として日本に残すべき有用で良質な素材としての漆やその歴史を知ってもらうため、また、里地里山の保全に関心を持ってもらうために、植栽や下草刈りなど活動への参加、講演会などを通して、地元や周辺地域の皆さん、学生の皆さんとの繋がりをつくり、地域ぐるみで漆復活の機運を高めていきたいと思います

地元有志団体「丹沢漆の里ムーブメント」の声

【金継ぎ教室 淘 主宰 丹沢MON合同会社:平野 君子】

神奈川県西部、丹沢山麓にある森林観光都市秦野。かつて相模漆の産地として、小田原や日本橋へ、漆を流通させていた歴史があります。

私が主催する金継ぎ教室 淘では、10周年を記念して「使うウルシから、作るウルシへ」というスローガンを掲げ、漆を植える活動をしたいと考えておりました。一方で、2021年3月より秦野市のヤビツ峠レストハウスの運営を任される事となり、峠を訪れるサイクリストのお客様との出会いをきっかけにウルシネクスト様から苗をご提供いただく事となりました。

仏ヴェルサイユ宮殿の修復に携わる職人が金継ぎの展覧会を訪れ、繕った部位を見て「これは焼かないのか?」としきりに尋ねました。漆は生産から製品化へ至るまで火を使う必要がありません。とてもSDGsなマテリアルと云えます。そしてその美しさは、麗しい日本文化を背負う魅力が溢れています

しかし、非常に強いかぶれ成分を有します。だからこそ、昔から山里の人々が管理し栽培をしてきました。同時にそれは衛生を保持する殺菌力でもあります。地球環境が激変する中、植物の力を上手に暮らしに取り入れ、再び丹沢を「漆の里」にしていきたいと考えています

ご支援のお願い

ウルシネクストは、お陰さまで、お金をまわそう基金の助成先団体に選んでいただいてから5期目を迎えることになりました。これまで多くの方にご賛同いただき、温かいご支援をいただきましたことに、改めて感謝申し上げます。

この間、国産漆の植栽について、私共にも様々なお問い合わせをいただいています。これまでの4年間の活動の積み重ねと、ご支援をいただいた皆さま方を通じて認知が広まったことも、効果として現れているのではないかと実感しています。

秦野での取り組みは、まだまだ小さな規模ではありますが、産地復活のベンチマークの一つになればと、地元の方々と共に力を入れて取り組んでいます。

引き続き皆さまに関心をお持ちいただき、お力添えをいただければ、こんなに心強いことはありません。厳しい状況にある国産漆の植栽事業が、必ず未来に繋がると信じております

皆さまのご支援を何卒よろしくお願いいたします!

皆さまからのご寄付の使いみち

皆さまからのご寄付は、新たな植栽地に植えるウルシ苗(200本)と鹿除け用「トリカルネット」の購入費用(200セット)、植栽活動に付随する旅費交通費に充てさせていただきます。

・ウルシ苗木:110,000円

・通信運搬費:7,000円(ウルシ苗木送料)

・消耗品費 :476,520円(鹿除けネット)

・旅費交通費 :113,695円

◎3,500円のご寄付で、ウルシ苗1本と鹿除けネット1セットを新たな植栽地に植えることができます。

賛同者の声

【福島県飯舘村議会議員:佐藤 健太】

飯舘村の冷涼な気候は、日本一の漆の産地・岩手県二戸市浄法寺と似ていることや、福島には会津塗の文化があり、漆に関しての技術的な連携も図りやすいことなども取り組むきっかけとなりました。

同時に注目したいのは、漆が天然樹脂であることです。合成樹脂であるプラチック廃棄物が世界の海洋を汚染していることも知りました。漆は、素材として合成樹脂であるプラスチックに代えて様々な分野で新しい製品が開発できる可能性があります。国連が主導するSDGs(持続可能な開発目標)に合致した、新たな産業に育てられるのではないかと考えています。

まずは試験栽培によって飯舘の地でしっかりと育つのか、放射性物質が漆に及ぼす影響がないかを確かめつつ、私たちはウルシネクストや関係者の皆様と手を携え、国産の漆液採取とSDGsに沿った6次産業化、そして何より飯舘の漆が日本の国宝・重要文化財の保存修理の役に立てることを目指して、飯舘の畑で漆を育てる試みを始めています。

【会津UV漆グループ 事務局 : 鈴木 一彦】

会津は昔から漆に関わる産業が盛んな地域です。漆が産業として根付いたのは、安土桃山時代(1590年頃)と云われております。

私ども会津UV漆グループ(AUJ)では、漆が持つ潤いや深み、温かみ、高級感を広めるためにも、伝統を守りながら新しい会津塗を広げたいという思いで、会津塗のAUJ独自技術に新たなアイデアや資源を活用して地場産業活性化を目指しております。

※AUJ=3社で結成(ユーアイヅ/三義漆器店/アルテマイスター)

当グループ内のアルテマイスター(株式会社保志)では、1973年(昭和48年)に国産漆の資源不足に対処するために漆植林を行った経過があり、その後その漆を活用するプロジェクトとして2015年(平成27年)から漆採取・植林活動を行っております。

現在では当グループも国産漆を育てる地産プロジェクトとして漆植林活動に取り組んでおり、ウルシネクスト様からウルシの苗木や植樹のご支援をいただいております。

この取り組みに従事することで、会津から地場産業の活性に繋げ、発信できればと考えております。

【宮城大学 事業構想学群 価値創造デザイン学類 教授 漆造形家:土岐謙次】

古代ローマ時代にコロッセウムが作られたのち、実は千年以上の断絶を経て、今から約150年前に再発明され、いまや世界中で社会基盤になっているコンクリート技術。

日本では奈良時代に仏像制作で使われた漆と麻布で造形を作る乾漆技術は、同様に1,300年の断絶を経て現代で再評価され、未来の社会基盤を支えるような素材技術になってもおかしくないくらいの性能を持っています。

私たちは乾漆の構造材としての力学的物性を検証し、乾漆を航空宇宙や自動車産業で使われている最先端素材の繊維補強樹脂の一種と捉え、「構造乾漆」と名付け、その構造的・デザイン的可能性を研究しています。

100%植物資源で合成樹脂を代替できる未来を目指す点で、宮城大学土岐研究室ではウルシネクストの活動に大いに賛同し、漆を増やす植樹活動を支援しています。

【FEEL J 株式会社 代表取締役社長 ウルシスト®:加藤千晶】

2020年、各地でウルシの植栽が始まる春に、新型コロナウィルスの世界的パンデミックが発生しました。ある感染症研究者が、最近の感染症の頻発や拡散は「人と自然との距離感」の変化や「社会の巨大都市化とグローバル化」に起因する、と語っていたのが印象に残っています。

こうした地球全体が直面する問題の多くは、いま日本の漆が抱えている課題と共通しています。私たち日本人は1万年以上もの間、漆という自然の恵みを日々の営みに活かし、そのやさしさや美しい強さに喜びを見出してきました。

今後、人類は様々なウィルスとある程度共存の道を探り、社会の仕組みや価値観も変化していくのだと思いますが、その方向性を決めるのは、私たち個々人の小さな選択と決断の蓄積です。

漆を通じてSDGsに取り組むウルシネクストの活動が、自然と共生する心豊かな未来へ向けての私たちの選択を後押ししてくれると期待しています。

【株式会社和える 代表取締役:矢島 里佳】

私たち「和える」は、「日本の伝統を次世代につなぐ」ために誕生しました。日本の伝統産業の職人さんとともに、赤ちゃん・子どもの頃から使える伝統産業品をオリジナルで作り販売をしています。

そんな中、日本の伝統産業の原材料の多くは海外に頼っている、中でも漆は9割以上が海外の方にお世話になっている状況である、ということが気がかりでした。

漆などの原材料も、日本国内で調達できる取り組み、aeru satoyama事業を立ち上げたいと思っていたところ、理事長の柴田さんとの出逢いがありました。

発芽率が低く育てるのが難しい漆の木の育成に、果敢に挑戦され、国産の漆を増やそうとされているウルシネクストさんの取組みに賛同いたします。次世代のために、ぜひ協業させていただければ嬉しいです。

団体概要

団体名 特定非営利活動法人ウルシネクスト
所在地 秋田県秋田市
お問い合わせ 電話:070-9030-2824

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Instagram

当プロジェクトの事業計画

事業名
相模漆の復活で、国産漆を増やす植栽事業に貢献を!
事業実施団体 特定非営利活動法人ウルシネクスト
事業内容 危機的に不足している国産漆を増やし後世に繋げていくために、各地の植栽候補地、及び漆の復活を目指す地域などと連携して植樹・育成し、漆の森づくりを行っていく事業。

国産漆を持続可能な循環サイクルにすることを目指し、漆文化の保護・継承や地域振興に貢献する。

特に、これまでの連携を通じて植栽地の更なる確保が見込める神奈川県秦野市での植樹・生育活動を推進する。

事業実施期間 2023年12月1日から2024年11月30日
総事業費 757,215円
当サイトでの
募集額
【募集額】

707,215円

【内 訳】

旅費交通費:113,695円

消耗品費:476,520円

通信運搬費:7,000円

その他(ウルシの苗木購入費):110,00円

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