
2024年度もNPO法人ウルシネクストの活動にご支援いただき、まことにありがとうございました。
ウルシネクストでは、危機的に不足している国産漆を増やし後世に繋げていくために、各地の植栽候補地、及び漆の復活を目指す地域などと連携して植樹・育成し、漆の森づくりを行っています。
皆さまからのご支援は、ウルシの植栽地の更なる確保が見込める神奈川県秦野市での土壌づくりや植栽、獣害対策、生育環境の整備に至るまで、幅広い事業に有効に活用させていただきました。
お力添えに改めて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
秦野市では、2022年3月に30本を試験的に植え、その後合計で約250本のウルシ苗を植えました。しかし秦野市の畑は鹿の被害が深刻で、3~4割が食害、樹皮剥離、倒木など何らかの被害に遭っています。また、鹿が山から連れてくる“ヤマビル”も、草刈り作業を妨げる大きな問題となっています。
2024年11月に、奥久慈漆生産組合から70本の優良ウルシ苗を調達し、植樹するタイミングに合わせて、フェンスや電気柵の設置、既存ネットの強化などの対策を行いました。
フェンスは獣害がほとんど発生しない福島県飯舘村のウルシ畑から移設したものです。さまざまなウルシの植栽地との協働で、地域間における資材や苗の調達に融通を利かせることができるようになったこともこの活動の大きな成果と言えます。
先人たちから受け継いだ漆の文化を次の世代に伝えていく、そして漆をもっと社会のために役立てたい、それがウルシネクストの思いです。
漆は、木を育てて採取するまでには、相当の手間と長い時間がかかります。一朝一夕に増やすことは叶いません。日本から漆が消滅しないよう、まず私たちは漆を増やすため、活動に賛同していただいた地域・団体の植栽地へのウルシ苗や植樹の支援に取り組んでいます。
中でも秦野市の有志団体は、丹沢を再び「漆の里」として復活させようと地域ぐるみで取り組まれており、ウルシネクストは立ち上げから協働しています。
この活動を持続し、「漆の里」へと育てていくためには多くの方のご賛同とご支援が必要です。これからも私たちの活動をご支援ください。よろしくお願い致します!

写真中央:平野君子さん
左:ウルシネクスト理事 中根さん
右:ウルシネクスト理事 佐々木さん
地元有志団体「丹沢漆の里ムーブメント」
金継ぎ教室 淘 主宰 丹沢MON合同会社
平野 君子さん
神奈川県西部、丹沢山麓にある森林観光都市秦野。かつて相模漆の産地として、小田原や日本橋へ、漆を流通させていた歴史があります。
私が主催する金継ぎ教室 淘では、10周年を記念して「使うウルシから、作るウルシへ」というスローガンを掲げ、漆を植える活動をしたいと考えておりました。一方で、2021年3月より秦野市のヤビツ峠レストハウスの運営を任される事となり、峠を訪れるサイクリストのお客様との出会いをきっかけにウルシネクスト様から苗をご提供いただく事となりました。
仏ヴェルサイユ宮殿の修復に携わる職人が金継ぎの展覧会を訪れ、繕った部位を見て「これは焼かないのか?」としきりに尋ねました。漆は生産から製品化へ至るまで火を使う必要がありません。とてもSDGsなマテリアルと云えます。そしてその美しさは、麗しい日本文化を背負う魅力が溢れています。
しかし、非常に強いかぶれ成分を有します。だからこそ、昔から山里の人々が管理し栽培をしてきました。同時にそれは衛生を保持する殺菌力でもあります。地球環境が激変する中、植物の力を上手に暮らしに取り入れ、再び丹沢を「漆の里」にしていきたいと考えています。