- 募集団体は 特定非営利活動法人ウルシネクスト です。
- 地域社会支援分野への寄付でもこの団体を支援できます。
- 支援総額は2024年12月4日現在のものです。
代表者からのごあいさつ
お陰さまでウルシネクストは、お金をまわそう基金の助成先団体に選んでいただいてから6期目を迎えることができました。
皆さまから多くのご支援や応援をいただいていることが、大きな励みになっています。本当にありがとうございます。
先人たちから受け継いだ漆の文化を次の世代に伝えていく、そして漆をもっと社会のために役立てたい、それが私たちの想いであり、活動の原点です。
漆は、安全で安心、しっかり育てることで何度でも再生が可能な天然素材です。自然環境を汚したり、採取から製品作りの工程で大量のエネルギーを使うこともありません。
しかし漆の自給率は未だに10%未満です。その漆が日本から無くならないよう、まず私たちは漆を増やすため、活動に賛同していただいた地域・団体にウルシ苗を提供し、協働で植樹に取り組んでいます。
今回の事業の対象となる福島県飯舘村と神奈川県秦野市は、それぞれの想いでウルシを育て、産地化を目指して取り組まれている地域で、ウルシネクストは立ち上げ時から活動を共にしています。
漆は、木を育てて採取するまでには、相当の手間と長い時間がかかります。一朝一夕に増やすことは叶いません。活動を持続していくためには多くの方のご賛同とご支援が必要です。
皆さまの引き続きのご支援、何卒よろしくお願い致します!
特定非営利活動法人ウルシネクスト
理事長 柴田幸治
ウルシネクストが取り組む社会課題
国産漆が足りません!
国産漆の生産量は1980年には6.6トンありましたが、2014年には1トン程度まで落ち込みました。プラスチック製品の普及によるライフスタイルの変化や、それに伴う漆器の需要の低下が要因の一つと言われています。
2015年に文化庁より国宝や重要文化財を修復する場合、原則として国産漆を使用するよう各都道府県に通知があってから、主要産地の努力もあり2020年には2トンを超え復調の兆しがありましたが、2023年には再び1.6トンに減少しています。
漆の自給率自体は増えていますが、それだけ外国、特に中国からの輸入量が減っているこということになります。絶対量が足りていません。文化財の保存修復だけでも国産漆が年平均約2.2トン必要と予測されていますから、それすらも賄えない量です。
他の日本の伝統産業も継承について同様の問題を抱えていますが、このままでは漆や漆文化そのものが途絶えてしまいます。国産漆の生産量を増やしていくためには、各地で植栽事業を広め、産地を増やしていく、この取り組みが今必要なのです。
ウルシネクストが取り組むこと
何故、国産漆の生産量が増えないのでしょうか?
国内需要の減少など漆業界を取り巻く社会的要因は様々ありますが、原木資源が足りないことが直接的な要因の一つで、さらに根本的な問題としては、ウルシを育てる生育管理の従事者の不足が挙げられます。
空いている畑や中山間地域などに適地があれば、植樹自体は有志やボランティアを募ってできます。しかしその後、成木に育てるまでの約15年、生育管理に従事できる人を確保できるかが難しいのです。仕事として成り立たないからです。その昔は、春の萌芽以降、農家に農作業の合間に生育管理を依頼する方法で何とか成り立っていたと聞いていますが、今と昔では農業環境や就農者数がまったく違います。
今回の助成事業では、原発事故の影響により耕作放棄地となった畑で、農作物に代わる新たな産業育成のために漆の試験栽培を行っている福島県飯舘村と、かつて歴史ある漆の産地で相模漆の復活に取り組む秦野市のウルシ畑で、生育管理を行う事業にフォーカスしています。
定期的な下草刈りはもちろん、鹿による食害対策や防虫対策、施肥など、生育環境を整備するための作業は増える一方なのですが、私たちや地元の有志だけでは、都度タイムリーに作業を行うには限界があります。
そこで、地元で畑を営む方や機材、資材の扱いに慣れている方などに作業の一部を委託することで、特に6月から11月にかけての成長の大事な時期に、生育管理をしっかりと行っていきたいと考えています。
飯舘村、秦野市での活動と実績
飯舘村では、2019年から植樹を始め、約600本のウルシ苗を植えました。
育ったウルシ苗は生育環境を整えるために間引き作業を行いながら約半分に減らし、会津若松市や秦野市の新たな植栽地に移植しました。
現在手掛けている畑の中では、最も成長の良いウルシ畑に育ってきています。
秦野市では、2022年3月に30本を試験的に植え、その後合計で約250本のウルシ苗を植えました。
しかし秦野市の畑は鹿の被害が深刻で、3~4割が食害、樹皮剥離、倒木など何らかの被害に遭っています。また、鹿が山から連れてくる“ヤマビル”も、草刈り作業を妨げる大きな問題となっています。
2024年11月に、奥久慈漆生産組合から70本の優良ウルシ苗を調達し植樹するタイミングに合わせて、フェンスや電気柵の設置、既存ネットの強化などの対策を行いました。
地元の思い
【丹沢漆の里ムーブメント & 金継ぎ教室 淘 主宰、 丹沢MON合同会社:平野 君子】
【福島県飯舘村議会議員:佐藤 健太】
ご寄付のつかいみち
皆様からのご寄付は、草刈り、防虫剤噴霧等の生育管理のための業務委託費や、防虫対策のための消耗品費、補植用のウルシ苗購入費などに充てさせていただきます。
ご支援のお願い
ウルシネクストは、お陰さまで設立直後からお金をまわそう基金の助成先団体に選んでいただき、今年で6期目を迎えることができました。
これまで多くの皆さまから温かいご支援をいただきましたことに、改めて感謝申し上げます。
漆を育てるための労力と経費の7割は生育管理だと言われています。飯舘村と秦野市を新たなウルシの産地に育てていくために、この生育管理への人的投資は避けて通れません。
是非皆さまに、国産漆を増やすことへの難しさをご理解いただき、引き続きお力添えをいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
賛同者の声
【会津UV漆グループ 事務局 : 鈴木 一彦】
【宮城大学 事業構想学群 価値創造デザイン学類 教授 漆造形家:土岐謙次】
【FEEL J 株式会社 代表取締役社長 ウルシスト®:加藤千晶】
【株式会社和える 代表取締役:矢島 里佳】
当プロジェクトの事業計画
事業名 |
国産漆を植え、増やすことによる漆文化の保護・継承と地域振興を目的とした漆の森づくり
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事業実施団体 | 特定非営利活動法人ウルシネクスト |
事業内容 | 危機的に不足している国産漆を増やし後世に繋げていくために、これまで植栽を行ってきた地域、ならびに今後の候補地と連携して植樹・育成し、漆の森づくりを行っていく事業。将来的に産地を増やすことで漆文化の保護・継承や地域振興に貢献する。特に次期は、これまで植樹をしてきた福島県飯舘村、神奈川県秦野市のウルシを“育てる(生育管理)”ことに重点を置き、事業を推進する。 |
事業実施期間 | 2024年12月1日~2025年11月30日 |
総事業費 | 677,435円 |
当サイトでの 募集額 |
【募集額】
616,405円 【内 訳】 旅費交通費:93,545円 消耗品費:85,360円 通信運搬費:14,000円 業務委託費:396,000円 その他(ウルシの苗木購入費):27,500円 |
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