
NPO法人ハーベスト
代表理事 山﨑 賢治
今年、寄付でできたこと
おかげさまで今年も皆さまからいただいたご寄付をもとに、活動を継続することができました。心より御礼申し上げます。
2024年度は少人数車座制のキャリアセミナーを10校(年度中に12校を予定)で開催し、多くの中高生に自分自身と将来を考えるきっかけ作りの場を届けることができました。2024年度の受講生徒の総数は
約2,250名を予定しています。
2024年の10・11月はキャリアセミナーの最盛期となり、延べ120名ほどの市民講師に参加いただき、計7回、中高生との対話の時間を持つことができました。その中には35名の市民講師に集まっていただく大規模なキャリアセミナーもあり、さまざまな大人の生き方や働き方が中高生のアタマとココロを刺激している感動的な場面に幾度も遭遇しました。
ハーベストのキャリアセミナーでは講師からの一方的な体験談だけではなく、生徒との対話の時間を持つような場作りを心がけています。
コロナ禍で学校や家庭以外の人と接する機会が少なかった影響か、初めはなかなか自分の意見を持ち出せなかった生徒たちも、徐々に緊張がほぐれ、キャリアセミナーの中で率直な感想や新たな気づきを言葉にしてくれています。この成長も「大人との生きた対話」の効果だと考えています。
キャリアセミナーを受けた高校生の感想です。
Q「自分が成長するためにこれから何をすればよいと思いますか?」
A「自分で自分を下げるような言動をしない。」
紹介したいエピソード
あるキャリアセミナーに参加した高校生Aさんの話です。
当時Aさんには特別な夢も将来のイメージもなかったため、たまたま母親の仕事である歯科衛生士と同じ医療系という事で訪問看護師Yさんの講座を受けました。もともとAさんは看護師に興味があったわけではなく、むしろ大変そうで「絶対自分には無理」と感じていたほどでした。
しかし、Yさんが語った「命と向き合う仕事のやりがい」「病院と自宅での患者さんの表情の違い」「身体だけではなく心のケアが大切」などの実際の現場でのエピソードを聞くうちに看護の奥深さに心を打たれました。
そして、Yさんが先輩から「あなたは看護師に向いていない」などと言われても決して自分の夢をあきらめず苦労や葛藤を乗り越え、患者さんに感謝されるようになった事を知り、Aさんは「自分もYさんのような看護師になって患者さんに寄り添いたい」と一念発起。看護師を志し、今は大学の看護科で学んでいます。
Aさんの母親は、「あの出会いがなければ、娘はまだ夢を見つけられていなかったかもしれません」とキャリアセミナーでの出会いに感謝していることを伝えてくれました。