外国にルーツを持ち、経済的にも困難な状況にある高校生に進学の機会を

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外国にルーツを持ち、経済的にも困難な状況にある高校生に進学の機会を
支援総額
128,554
21.42%
目標金額
600,000
支援者数
2
募集のこり
274

ごあいさつ

総務省によると、2024年10月1日時点で、日本の人口は前年比89万8千人(0.74%)減少し、過去最大の減少数と減少率でした。一方で、国内に3カ月以上滞在する外国人は34万人以上増えて350万6千人に上り、日本人の減少を補う形になっています。
もはや日本社会は、外国にルーツを持つ人が当たり前に生活し、仕事をしている社会になっています。

今回ご寄付をお願いする「NEWDOOR進学プレッププログラム」は、進学を希望しても、奨学金受給に制限のある在留資格を持つ、非常に困難な環境にある生徒向けの学校外での進学支援プログラムです。このプログラムでは、外国ルーツの先輩との対話や進学に必要な日本語力を培う日本語作文個別指導で多角的に高校生の進路選択を支援します。
本プログラムは2025年に4期目を迎え、これまで進学を希望した8名全員が大学や専門学校に進学しました。大学生になった卒業生は本プログラムの夏合宿にメンターとして参加したり、当団体に進路相談を申し込んだ高校生に自分の経験を話してくれたりと、参加者自身が先輩として、後輩をサポートしてくれる頼もしい存在になりつつあります。

外国にルーツを持つ若者は、適切なサポートや支援体制があれば本来持っている力を発揮することができます。
若者の夢の実現のために、ご寄付を通して、皆様のお力をぜひお貸しください。

NPO法人 glolab
代表理事 柴山 智帆

外国にルーツを持つ高校生直面する4つの課題

文部科学省が令和5年度に実施した「公立小・中・高等学校等における日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果」によれば、日本の全高校生の大学や専門学校への進学率は75.0%であるのに対し、日本語指導が必要な高校生の進学率は46.6%で、28.4ポイント低く、進学も就職もしていない者の率は、全高校生が6.5%に対し日本語指導が必要な高校生は、11.8%と5.3ポイント高くなっています。
令和3年に実施した前回調査と進学率を比較すると、全体は73.4%から75%に上がっているのにも関わらず、日本語指導が必要な生徒の進学率は51.8%から46.6%と低下しています。
この調査結果から、外国にルーツを持つ高校生にとって高等教育機関への進学は困難な状況が続いており、改善の兆しも見えていないと言えます。

この厳しい状況を生み出している背景には、以下の4つの要因があります。

① 情報取得の壁
日本人の両親を持ち日本で生まれ育った高校生であれば成長していく中で自然に入ってくる進学に関する情報も、外国ルーツの高校生が取得することは簡単なことではありません。
親が属するエスニックコミュニティー内に出回る、必ずしも正しいとは限らない情報に惑わされる生徒もいました。

② 保護者の理解不足
保護者も母語で日本の進学に関する情報を取得することが難しく、進路選択は全面的に子どもに任せているということが少なくありません。
それゆえに進路決定の段階では進学に賛成していた保護者が、日本の高額な学費を知って子どもに進学を断念させてしまうというケースもあります。

③ 相談の場の不足
こうした進路の課題に対する相談の場も不足しています。
外国ルーツの高校生の進学を支援する民間団体の数は少なく、外国ルーツの生徒が多く通う高校であれば進学支援のノウハウが積み上がっていますが、そのような高校ばかりではありません。

④日本語習得の壁
日本では、日本語を十分習得できているかどうかによって、受験できる大学・専門学校の数に大きな差が生まれます。
しかし、日本語指導についても高等学校や地域によって支援体制に開きがあります。

このように外国にルーツを持つ生徒が進学を目指す際は、複数の課題が複合的に絡み合い、同様の経済状況に置かれた日本人よりも進学が困難な状況に陥る可能性が高くなります。

これらに加え、在留資格という制度上の課題も存在します。2024年度から「家族滞在(※1)」の在留資格でも日本で小学校から高校まで卒業していれば、国の高等教育の修学支援新制度や日本学生支援機構の奨学金が対象となりましたが、依然として中学校以降に来日した「家族滞在」の生徒や「公用(※2)」の生徒は対象外となっています。

こうした壁を取り除くためには包括的な支援が必要であり、高校だけでなく、民間団体や法律・日本語教育の専門家など多様なプレイヤーによる支援体制が求められています。

※1 家族滞在について、詳しくはこちらをご覧ください。
※2 公用について、詳しくはこちらをご覧ください。

NEWDOOR進学プレッププログラムでの進学支援

“生まれ”の差によって生じる進学の壁を少しでも低くし、外国にルーツを持つ高校生の
「学びたい」
「夢に向かって進みたい」
という願いを叶えたいという思いで2022年度に「NEWDOOR進学プレッププログラム」をスタートさせました。
2025年度は4期目で、関東地区から3名、関西地区から3名の参加を予定しています。

このプログラムの対象は、外国にルーツを持つ高校生の中でも、特に制度の面で困難を抱える「家族滞在」「公用」の在留資格を持ち、かつ、進学をする意欲があっても進学をするのに経済的な困難を抱えている生徒です。
「NEWDOOR進学プレッププログラム」では、生徒たちが前述の4つの課題を乗り越え、自分の将来についてじっくり考えて進路選択をしていけるように、
①1年間のキャリアワークショップ
②月1回2時間のオンライン日本語作文教室
を提供します。
また、今年度から2年間のプログラムとし、新たに③高校最終学年での進路サポート(月1回の面談やボランティアによる面接、志望理由書のサポート)も実施します。
さらに、④保護者支援として、行政書士法人IPPO様のご協力のもと、通訳付きの保護者向け進路ガイダンスや個別相談等も行っていきます。

プログラム内容①「キャリアワークショップ」

キャリアワークショップでは、社会で活躍する外国ルーツの先輩との対話やお金についての学習、合宿などを行います。
起業家、一般企業、職人、タレント等、社会で様々に活躍する外国ルーツの先輩たちの経験談から人生や進路に関する考え方や困難に直面した時の行動規範などを学びます。
夏には関東・関西の両生徒とともに交流合宿を行い、大学に訪問します。2024年度は、合宿に新たに専門学校の教職員を迎え、専門学校についての講義も実施しました。大学と専門学校を比較し、自分に合った進路を多角的に考えるきっかけを作っています。
さらに、同じく昨年度からは大学生となった本プログラム卒業生が先輩として参加し、現役生をサポートしてくれています。同じ環境から進学を果たした大学生から直接学生生活の様子を聞くことで卒業後の進路のビジョンを明確化するきっかけとなりました。
外国ルーツの高校生が直面する「情報取得の壁」「奨学金受給の制限など制度上の課題」について対応するのがキャリアワークショップとなります。

プログラム内容②「日本語作文教室」

「じっくり考えた事柄を適切な表現でアウトプットすること」ができるように、「書くこと」に重点を置いた日本語の個別指導を行います。
オンラインでの指導の経験が豊富な指導者が、一人一人異なる日本語能力や書く力に合わせて学習内容を計画し、指導します。定期的な指導は月1回2時間ですが、それ以外にも宿題の添削やチャットでのやりとりを通して個別に生徒に対応します。
これにより、日本で進学し、社会に出ていくうえで避けては通れない「日本語習得の壁」に対応します。

プログラム内容③「進路サポート」

2025年度からの新たな試みとして進路決定まで伴走する進路サポートを開始します。
具体的にはコーディネータによる月1回の面談を行うほか、企業ボランティアによる面接や志望理由書作成に関するサポートを行います。
外国ルーツの高校生の「相談の場の不足」という課題に対応します。

プログラム内容④「保護者支援」

これまでの活動で、保護者が日本の学校に詳しくなく、進路選択に関わることができずに子どもに任せているケースのほか、誤った情報で子どもにアドバイスするケースなどが見られました。
そこで、2024年度から保護者の支援を開始しました。
具体的には多言語の通訳をいれた進路相談会を開催し、大学・専門学校の受験の仕組みや奨学金制度、在留資格の制度などを丁寧に説明しています。
また、保護者との信頼関係を構築するために、いつでも保護者が相談できる体制を組んでいます。実際に保護者だけでは困難な複雑な教育ローンの申請をコーディネータが一緒に行い、専門学校へ進学を果たした生徒もいます。
このように生徒がよりよい進路選択をできるように保護者のサポートも行うことで、「保護者の理解不足」という問題に対応します。

 

以上のプログラムに加え、受験料や入学金等に使える10万円を上限とした進学支援金を給付し、高等教育機関への受験の機会を提供します。

これらの実施により、制度の面でも経済的にも困難を抱える外国ルーツの高校生の進学・進路選択を総合的に支援するのが「NEWDOOR進学プレッププログラム」です。

ご寄付使い道

皆様からいただいたご寄付は「NEWDOOR進学プレッププログラム」の「日本語作文教室」での日本語指導に活用させていただきます。

「日本語作文教室」では、高等教育機関進学のために求められる「考えた事柄を日本語で書く力」を身に付けてもらうことを目的に、2025年6月から2026年3月までの10か月間実施します。
生徒の来日時期や日本語学習歴が異なり、それぞれ日本語の能力にも差があるため、1対1の個別指導でそれぞれの生徒の能力やニーズに合わせた指導を行い、日本語の力、考える力の向上を目指します。

6000円のご寄付で
2時間の日本語授業を生徒1名に提供できます。

ご支援お願い

「NEWDOOR進学プレッププログラム」は2025年度に4期目を迎え、プログラムに参加した生徒は様々な困難を乗り越え、大学や専門学校に入学し、夢に向かって歩み始めています。
また、活動を続けているうちに、大学や専門学校の教職員、行政書士、通訳、企業ボランティアなど、様々な方が生徒たちを支えるためにプログラムに参加してくださるようになり、支援体制の形が整いつつあります。

そして、本プログラムは経済的に困難な家庭の高校生を対象としているため、すべて無料で提供しています。
そのため、みなさんのご支援があって初めてプログラムを高校生へ届けることができます。

日本に暮らすすべての若者は未来を担う大切な存在です。
彼ら彼女らが本来持っている力を発揮し、将来に向かって前向きに歩めるよう、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

賛同者

「様々な家庭環境が理由に就学が困難な外国ルーツの若者たちにチャンスを与えたい」
「身内ではできなかった第三者だからこそできるフォローをしたい」
「外国ルーツの若者たちの可能性を広げたい」
そのような話を(glolab代表理事)柴山さんから伺った際に私は感銘を受け、何よりも自分ができなかった事の贖罪に対し、できる範囲の事をしたいという思いが、支援に至った動機です。

若者には無限の可能性がある、というのは与えられる環境次第です。

地力があっても、それを発揮できるスタートラインに立てるかどうかで未来の選択肢の幅に大きく影響します。
1人でも多くの外国ルーツの若者たちが新しいドアを開けて学びの機会をつかみ取り、未来を切り開いていけるよう、切に願っています。

(まるはちさん・NEWDOOR進学プレッププログラム支援者)

団体概要

団体名 特定非営利活動法人 glolab
所在地 東京都新宿区
お問い合わせ ホームページ

当プロジェクトの事業計画

事業名 NEWDOOR進学プレッププログラム
内 容 NEWDOOR進学プレッププログラムは、進学を希望しつつも、経済的に厳しい状況にあり、在留資格等の制限により奨学金の取得に制限がある外国にルーツを持つ高校2年生及び3年生向けの2年間の進路支援プログラムである。外国にルーツを持つ高校生が、自身の壁に向き合い壁を乗り越える方法やマインドセットを会得することを目的とする。
具体的には、外国ルーツの社会人の対話や大学と連携したキャリアプログラムおよび日本語作文指導を行う。また、高校3年生の時点で大学・専門学校の受験費用として一人上限10万円を支給する。
事業期間 2025年4月から2026年3月まで
総事業費 4,300,000円
当サイトでの
募集額
600,000円

  • 謝礼金:600,000円(日本語授業講師への謝金)

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