公益社団法人日本駆け込み寺

2017年事業完了報告

事業完了報告

事業名:緊急避難や一時保護のためのシェルター事業
団体名:公益社団法人日本駆け込み寺
代表者名:玄秀盛
事業完了日:2017年11月30日

助成金額 921,550円

事業内容

DV被害者や行き場のない方等、緊急避難や一時保護が必要な方のために無償で部屋を提供し、その後必要な援助・支援を実施する。

事業評価

概ね達成できた。

  • 収容人数:16名(助成15名、男性1名/平均年齢:44.1歳)
  • 稼働日数:76日(平均5.1日/件)
  • 家族からの虐待:4件
  • 夫の暴言暴力:4件
  • 同棲中のパートナーからの暴言暴力:2件
  • 息子の暴言暴力:2件
  • 家出:1件
  • その他:2件(家賃滞納1件、刑務所出所1件)

事業実施によって得られた成果

身体的・精神的に限界まで追い詰められた肩をシェルターに避難させることで、心身の恢復を図り、今後の生活等について冷静に考える時間を提供できた。また、並行して加害者の対応を行うことにより、夫婦関係や家族関係を解消、あるいは構築し直すことができた。さらにホームレス状態に陥った方を行政の対応時間まで保護し、同行支援を実施することにより、犯罪や自殺の未然防止に寄与できた。

成功したこととその要因

シェルターを所有していることで、相談者に余裕を持って対応することができた。相談員がその後の支援策を検討する時間を得ることで、より質の高い支援や援助が可能になった。また、『お金をまわそう基金』の助成事業であることを告知することで相談者が増加。シェルターの認知も広がり、たくさんの日用品のご寄付をいただくことができた。

失敗したこととその要因

居座ろうとする方や支援を拒む方の対応には課題が残る。避難や保護の判断基準を精査する必要がある。

事業成果

本事業は「公益財団法人お金をまわそう基金」の助成事業として採択していただき、2017年5月から運営を開始しました。緊急避難や一時保護が必要な方々に、安全な場所で心身を休めていただき、次の支援につなぐこと、さらには犯罪や自殺の未然防止等、地域の治安維持への一助を目的としています。2017年11月末までにシェルターに保護した方は16名でした。主な原因は夫やパートナーからのDVや、家族からの虐待です。1件当たりの平均入居日数は約5日でした。

Mさん(54歳)は女手一つで育てた息子(31歳)の暴力と暴言に疲れ果てていました。ささいなことで暴れ出し、Mさんにも暴力を振るおうとします。壁や家具・家電などはことごとく壊され、大声で暴言を吐き続ける息子。Mさんはとにかく息子から離れたい一心で当法人に駆け込んできました。対応した職員は緊急避難が必要だと判断し、Mさんをシェルターに案内しました。翌日からMさんはシェルターから仕事に通い、一人暮らしをする部屋を探しはじめました。シェルターで過ごす一人の夜が、改めて冷静に息子との関係を考え直す得難い時間となりました。

二週間後、マンションの契約を終えたMさんはシェルターを退去しました。Mさんからは「息子とは別に暮らすが、関係は改善したい」という新たな相談を受け、関係改善のための支援を継続しています。一方、息子に対しても「暴力を必要としないコミュニケーション」を身につけてもらうための支援を進めています。「悪縁を断ち切るためのシェルターでもあり、絆を修復するためのシェルターでもある」これが当法人の基本姿勢です。

困難から逃げてきた方たちは疲れ果てています。心と身体を休ませる場所と、今後の人生を考える時間が必要です。「お金をまわそう基金」と多くの支援者さんの善意で支えられているこのシェルターが、新たな人生への第一歩を踏み出す方々の、大きな力になるに違いありません。

支出(抜粋)

費目 お金をまわそう基金助成金
地代家賃 844,500円
備品購入費 46,841円
消耗品費 3,034円
水道光熱費 11,175円
火災保険料 16,000円
合計 921,550円